哲学カフェ・対話の話

哲学カフェ、哲学対話の参加や主催をする中で、考えたことを記しています。深い話はありません。哲学カフェ参加の感想は、対話中に出た話と、後で考えたことが混ざっています。

テーマあるある「〇〇とは何か」

対話のテーマ(お題)として、一つの単語だけを持ってくるやり方で、おそらく全国で最もよく行われる方法かと思う。 テーマにふさわしい単語は、何でも良いわけではない。あまり使われない方から考えてみよう。 1.固有名詞。 例えば中島みゆきの歌詞は、お題…

ある日の哲学カフェ「友達は必要か?」

少し気持ちのざわつくようなテーマがいい。よく言う哲学カフェのモヤモヤというのは、普通は問いに対する意見に対しておぼえるものだが、この場合タイトルの問いの段階で始まっている。 主催者がテーマを決める時に、仮に友達に関してならば、単にタイトルを…

あるある 話が長い問題

先に断っとくと、今回の記事は無駄に話が長い。最後まで読む人いるかなあ。 対話の中で話が長くなる人にはいくつかのパターンがある。一つは「同じことを反復する」。これは「自分の考えが正しく伝わっているのか?」という不安から来ることが多いようだ。こ…

今日の哲学カフェ「恥ずかしいとは」

「西洋は罪の文化。日本は恥の文化」みたいな話は、一切出ない2時間。だからどうかはあまり関係なく、終始おもしろい会だった。比較文化ではなく、各人が自分の恥ずかしいという感情にフォーカスするのを、聞き、話す瞬間は、ある種のスリリングさを伴って…

一日で教育二題続き

「日本の教育には何が足らないのか?」という、ビッグプロジェクトっぽいというか、朝ナマ的というか、市井の哲学対話ではあまり拾わないお題で、主催進行の人もやや危惧しながら始めたと、後の雑談でも話されていたが、こんなんも、たまには参加してみると…

一日で教育二題

たまたま教育に関する哲学カフェを、同じ日の午前に対面式で、夜にオンラインで参加するという経験をした。 午前は「教えられることと、教えられないこと」 「教える」という意味を、「伝える」に近く限定するか、「教育」まで拡大するかで、方向性が変わっ…

ある日の哲学カフェ 神や仏がいると考えて…

信仰絡みの対話のしにくさは、根本のはじまりのところが「人それぞれ」であることから予測できる。個別の宗教学の話をせずに語れることが多くあることを、想像できないのか、しようとしないのか、不自由な(と本人は思っていない)まま終わってしまう人がいる…

今日の哲学カフェ「安心・安全」

何となくあるイメージとして、こんなのがある。 安全→客観的に評価されてつくるシステムやルールによって成立するとされる。 安心→主観によるもの。 ところが、最近では心理的安全性という言葉がよく使われる。これは何なのだろうか? 先進的な企業活動では…

今日の哲学対話 子供と読書会「王子と燕」

一冊の本を哲学対話の手法で語り合うオンライン読書会に参加した。 有島武郎の「王子と燕」 私の記憶にあったのは、オスカー・ワイルドの「幸福の王子」(誰の翻訳かは覚えてない)で、有島版は初めて読んだ。存在も知らなかったので、これを機に読み比べが…

今日の哲学対話「気候正義ってどんな正義?」

オンラインにて「社会と自分」という大テーマの中の一つとして開催。どちらかというと「社会」よりも「自分」を考えるためにやっているところはあって、そのために参加条件として斎藤幸平氏のあげた記事を読んでもらっていた。日本人には、それまでの自分の…

今日の哲学カフェ 人と自然

昨日は、困った人(自分のことは棚に上げてる)が来たことがない、ありがたい哲学カフェが今年最後の会。 テーマの広さのため、大木の如く枝と根が広がってしまう。 印象に残ったのは、創世記において神から人に託されたのは、自然への管理であり支配ではない…

あるある 参加者のポジション

前回あげた哲学カフェでは、二人の参加者に少し触れた。 テーマの本流に、理論的に終始あがらった人。自らの心情をよく語った人。この二人がいて、おもしろいものとなった。もちろん、それは二人がいなかったらおもしろくならなかったという意味ではない。た…

今日の哲学カフェ(コミュニケーションでの)距離感

テーマから考える会。雑談のような話から取り上げられ決まる。自分には初めて出会うテーマだ。 何故、私たちは他人との関係を距離で表すのだろうか?単なる比喩に過ぎないと言えばそれまでだが、誰もが共有できる比喩になるには、文字通り「体感」させる理由…

ルールの問題 知識より経験?

「本で読んだ知識より自身の経験で話す」この意味は前回述べたこと以外にもある。そもそも本から得られる知識なら、本で読めばよいからだ。たとえオンラインであっても、生きた人間がわざわざ集まって話すのだから、その貴重な時間には、「そこでしか得られ…

ルールの問題「何を言ってもいい」

対話のためのルールとして、よく使われるフレーズに気になるのがある。 「何を言ってもいい」 私は自分が主催する場合には、これは言わない。「何を言ってもいい」のすかさず後で「否定的な発言はしない」という文言が降りてくるのは、「すべて無料」の内容…

あるある 困った人

どこにでも困った人というのが一定数いる。哲学カフェにもいる。いや、ここほどわかりやすい場所もないかもしれない。 どこにでもとは言ったものの、あまりそんな人のいない集まりもある。主催者の傾向や告知の仕方、場所や日時を含む開催方法によって違いが…

今日の哲学カフェ「人の魅力」

ちょいワルどころではない「クソ男」なのに、異性同性どちらからも人気がある。そんな人の魅力とは何なのだろうから始まりながらも、なかなか詰められるところにはいかない。いや、「詰められない」からといって「つまらない」わけではない。おもしろさはま…

今日の哲学カフェ 「流行の本質」

オンラインにて開催された「流行」について。問い出しで、流行の本質とは何か?に。今まであるようでなかったテーマ。 流行という状態だけであれば、コロナもファッションも健康法も似ているが、出発点が違う。 1.自然発生ー感染症 2.意識的につくられるもの…

今日の哲学カフェ 「母親」

仕事の上で東京に行くのを機会に東京でさがしたらヒット。ぎりぎり途中参加。「母親」というワードは今までテーマで見たことがない。主催者さんもいささかの勇気や準備があったよう。 男性は自分一人。 遅れてきたのでテーマにはあまり入れなかったが、新し…

今日の哲学カフェ 「期待」

何も信じないという態度は、何も期待しないようにしていることじゃないかとキックオフ。 期待と信じるのセットから、他の言葉が出てくる。予想、依存、圧力。期待というものと現在の間に横たわるプロセスのありようと考え分けられないかと? (期待と依存や圧…

哲学対話のいろいろ話 0

7年前からあちこちに参加し、自分で開催したりしている哲学カフェ、哲学対話に関し書く予定です。